米国におけるBOI提出義務完全ガイド

Home 9 海外節税 9 米国におけるBOI提出義務完全ガイド

アメリカ法人:BOI提出義務化へ

今回は、2024年からとある国で行われたアップデートをお伝えします。今回、ピックアップする国はアメリカです。アメリカでは、2024年より法人運営に関して重要な変更が実施されました。

2024年1月1日より米国内で事業を行う法人は、実質的所有者情報(Beneficial Ownership Information、BOI)の提出を義務付けられます。簡単に言うと、法人のオーナー(持ち主)や株式を所有しているメンバーの名前や住所の情報を政府機関に提出する制度です。

 

このような変更が行われた背景ですが、資金洗浄やマネーロンダリングなどを防ぐために行われました。

政府機関が自国の法人を取り締まる動きは、単にアメリカだけで強化されている訳ではありません。ドバイ香港などでも、会計監査の取り締まりは年々強化されており、そのために監査を無事に終えるための会計士のコストが年々増加しています。

 

対して、今回のアメリカの変更は、あくまで法人のオーナーや株主の名前と住所などを提出するだけですので、コスト的な負担はほとんど増えません。手続きも自分で行えば無料で完了します。提出方法は後ほど簡単に紹介します。

皆様が1番気にされるのは、プライバシーについてですが、提出された実質的所有者の情報(BOI)は、政府機関内で厳格に管理され、一般公開されることはありません。法人で問題が生じた場合に政府機関が情報にアクセスすることがあります。

 

この措置により、法人とオーナーのプライバシーが保護されると共に、ビジネスの透明性を確保するバランスが取れています。

今回のBOIの概要は下記の通りです。

 

BOI:提出概要・提出方法

・対象:アメリカ国内で事業を行う全ての法人

(設立の州、株式会社・LLC等の形態を問わず)

・免除されるケース:金融機関など特定の基準に該当する企業

・報告内容:法人と実質的所有者の詳細情報

(法人の名前や住所、法人のオーナーや株主の名前や住所、パスポートなどの身分証明書)

※法人の株式を複数人で保有している場合は複数名の情報を提出する必要があります

 

・2024年1月1日より前に米国内に法人を持っている場合

⇒2025年1月1日までにBOIを提出する必要があります。

・2024年1月1日以降、米国内に法人を設立する場合

⇒法人の設立完了の通知を受け取ってから90日以内にBOIを提出する必要があります。

 

・1度提出を行えば、実質的所有者変更等がない限りは毎年提出する義務はありません。

ただし、法人の実質的所有者が変わる場合は、その都度BOI提出が必要です。変更日から30日以内に提出してください。

 

その他、BOIの詳細についてはFinCEN(金融犯罪取締ネットワーク部局)の公式HPをご参照ください。

FinCEN-よくある質問;

https://www.fincen.gov/boi-faqs

 

またBOIの提出は下記のHPにある「File a report using the BOI E-Filing System」より手続きが可能です。

BOI提出について;

https://www.fincen.gov/boi

 

実はこの手続きを9USD~49USDで丸投げすることも可能ですが、弊社の一部の有料会員様にだけシェアしたいと思います。弊社では、今後も各国の税率のアップデートのみならず、海外法人の維持・運営に必要な情報もお届けしていきますので乞うご期待くださいませ。

弊社では、随時「日本に居ながら設立可能な最強の無税法人」「本当の富裕層はドバイを選ばない理由」など、グローバルスキームを公開しています。詳細は公式メルマガ(登録無料 ・即解除可)で公開しています。詳しくはこちら

 

※本記事は、2024年2月10日時点のものです。可能な限り正確な情報を提供するよう努めておりますが、必ずしもその内容の正確性および完全性を保証するものではありません。なお、個別具体的な税金・法律に関するご相談は、税理士などの専門家にご依頼ください。

n202306-banner

【徹底比較】資産管理するならどっち?ウェルスマネジメントvsプライベートバンク

両者の違いはどこに? 私たちがよく耳にする「プライベートバンク」と「ウェルスマネジメント」は似たような意味合いを持つ言葉ですが、提供される金融サービスには微妙な違いがあります。 ウェルスマネジメントは、クライアントのリスク許容度や目標に基づいた財産の最適化を含む広範なカテゴリーで、規模に関わらず任意のポートフォリオに対して実施可能ですが、その名称が示す通り、資産が豊富な人々を対象としています。...

【移住希望者必見!】イタリアのゴールデンビザの驚愕の事実とは?

ポルトガル、ギリシャ、スペイン、アイルランド、ラトビアなどの国々で、投資家に居住権や将来の市民権を提供するゴールデンビザ・プログラムを聞いたことがあるかもしれません。しかし、イタリアには独自のゴールデンビザがあり、投資家に居住権を与えていることをご存知ですか?...

世界の富裕層が集う無税国の実態とは?

最近では、合法的に税金をゼロにできるさまざまな方法とさまざまな国がありますが、インカムやキャピタルゲイン、資産に対して税金を払わない、昔ながらの明快な非課税の国を好む人もいます。そのような国は12カ国ほどしかありませんが、今回はその中からいくつかの選択肢を紹介し、もしあなたがその国しか選べず、そこに滞在しなければならないとしたらというケースの話をしたいと思います。...

【海外富裕層最新動向】プライベートバンクは、開設するべきか?

現在、多くの企業がオフショア戦略を進め、海外の税金・物価の安い地域に法人を設立しています。インターネットの発達によって、誰でも地球のどこにいても、オフショア・バンキングのような高度で重要なトピックについて耳にする機会が増えてきました。 銀行口座を国際化することの利点に気づく人が増えていることは嬉しいですが、現実には、安価な外交官用パスポートから極秘のプライベートバンク口座まで、実際に存在するかどう...

【マル秘】世界で最も税金が安い国・高い国リスト

※注意:節税スキームを実施される際には事前に各税理士にご相談ください。また自己責任でお願いします。2022年12月25日時点の情報です。最新の税制は各国のHPをご覧ください。 世界で最も税金が安い国ランキングへようこそ。このランキングは、一般に公開されているデータソースを用いて慎重に調査し、作成しました。  ...

為替相場の変化に備え、これから投資をしていきたい人向けのガイド

2022年の為替相場は、ドル高・円安が大きく進行している。10月20日には、1ドルが150円台という歴史的な安値をつけました。この好条件を生かすためには、投資戦略を慎重に検討し、高いリターンを期待できる投資先を選ぶことが重要です。資産運用のポイントとしては資産クラスを超えた分散投資、賢明なレバレッジ戦略、有利な税制の活用など。...

【海外富裕層だけが知る】スイスプライベートバンクの実態に迫る

多くの富裕層にとって、スイスのプライベートバンクは、セキュリティ、機密性、専門的な資産管理サービスの完璧な組み合わせを提供します。スイスのプライベートバンクに口座を開くと、次のようなメリットがあります。 ・かつてないレベルの金融セキュリティ...

プライベートバンクが行うコンシェルジュサービスとは?

プライベートバンクは、富裕層の顧客に対してさまざまなサービスを提供していますが、その中でも特に価値があるのがコンシェルジュサービスです。この種のサービスでは、プライベートバンクの顧客は、イベントの優先予約やチケット、旅行の予約など、特別な特典を利用することができます。 コンシェルジュサービスは、以下のようなことが可能です。...

【資産保護へ】海外オフショアを開設する意外なメリットとは?

多くの人は、FATCAやCRS(共通報告基準)が実施され、銀行機密が死滅した今、オフショア銀行を開設する意味があるのか疑問に持つ人がいるかもしれません。なぜ、オフショアに資金を移動させるのか?お金を隠すことができないなら、海外に銀行を作る目的は何ですか?と疑問を持っている人がいるかと思います。 ...

【海外節税のTips】タックスヘイブンのメリット・デメリットを徹底解説!

税制は各地域で大きく異なります。世界の中でも特定の国々は、自国の税制対象者および/またはその地に拠点を置くオフショア企業、信託、その他の金融機関に対して、数多くの税制上の利点を提供していることでよく知られています。...