ポルトガル、ギリシャ、スペイン、アイルランド、ラトビアなどの国々で、投資家に居住権や将来の市民権を提供するゴールデンビザ・プログラムを聞いたことがあるかもしれません。しかし、イタリアには独自のゴールデンビザがあり、投資家に居住権を与えていることをご存知ですか?
おそらく、イタリアはこのプログラムの宣伝が下手で、非常に高価だったため、ご存知なかったと思いますが、現在イタリアはこのプログラムをより簡単に、よりアクセスしやすくしただけでなく、大幅な値下げを行いました。 イタリア独自のゴールデンビザ・プログラムの仕組みを解説し、なぜこのようなプログラムがヨーロッパの他国ではあまりないのかを理解していただこうと思っています。
数年前、イタリアは独自のゴールデンビザを導入しました。ポルトガルやスペインなどの国々が不動産投資や、近年ではファンド、ベンチャーキャピタルなどの投資を呼び込むために同じような制度を導入したのです。 数年前にイタリアで実施されたのは、革新的なスタートアップに50万ユーロを投資できるプログラムです。100万ユーロをイタリアの有限会社の株式資本に、あるいはある種の慈善活動に、200万ユーロを国債に投資することができます。
ある国では、銀行預金のオプションを導入し、他の国では、投資可能なファンドを導入したり、単に銀行にお金を預けたり、国債を買ったりしています。いずれの方法新興企業に投資するよりもリスクが低く、楽しそうなものでした。そのための優れた産業はありませんでしたから、こうした選択肢の中で唯一、比較的リスクが低そうだったのが国債だったのです。
イタリアの国債はトリプルBに格付けされています。最近、見通しが安定したため格上げされましたが、そうでなかったらひどい状態になっていたでしょう。だから、イタリアの国債でさえも、世界で最も安全にお金を置いておく場所とは思えません。200万ユーロあれば、あと数ドル使えば、イギリスへ行って、表向きはより良いパスポート、よりクリーンなプログラムのビザを手に入れることができます。
そして今、イタリア政府はコロナウイルスが猛威を振るっていた時期に可決された復活命令によって、ゴールデンビザ・プログラムを変更しました。 今なら、革新的なスタートアップに25万ユーロ、イタリアの有限会社に50万ユーロの投資が可能です。25万ユーロというのは、ヨーロッパのゴールデンビザのプログラムにパッシブ投資するのと同じくらい良い金額です。
ヨーロッパのゴールデンビザの中には、雇用を創出するものや、会社を設立して一定の税金を支払うものもありますが、パッシブ投資としては最低レベルです。スタートアップに投資することが好きな人たちから見れば25万ユーロというのは、少しばかり魅力的な金額だと思います。例えば、以前はビザの更新のために2年に1回は日本に滞在しなければなりませんでしたが、この新しいプログラムでは、競争力を高めるために他のメリットも用意されています。
ビザの更新を行う際には他の国の中には、滞在を要求しない国や7日間滞在する国、滞在期間の半分をイタリアで過ごす国もあり、税金の問題が発生する可能性があります。
中国、ロシア、アラブ、そしてアメリカなど、セカンドパスポートを取得したいけれども、ライフスタイルは変えたくないという人たちにとって、今はフラットタックスプログラムがあったとしても、あまり有利ではありません。アメリカ人は、引っ越しをしなくても、投資をしてセカンドパスポートを取得することができると考えています。
イタリアで導入された他のメリットは、他のゴールデンビザプログラムとは異なり、実際にビザが承認されるまで投資を行う必要がないことです。つまり、納税者番号を取得し、銀行口座を開設し、資金を移動し、投資を行い、申請し、そして待つという手順を踏む必要は一切ありません。
この場合には、現金を少し長く持っておくことができます。投資をしてから応募するのではありません。イタリアは10万ユーロの一律課税なので、スイスの一括課税と競合しているようなものです。スイスの一括税と競合するようなものです。その一律の税金を払えばいいのです。年間何百万ユーロも稼いでいる人なら、イタリアの居住者であることを考えれば、全体として悪い話ではないでしょう。
スタートアップに特別な思い入れがあるのでなければ、もっと競争力のある選択肢があると思います。たとえそうであっても、ポルトガルのように、スタートアップに投資するファンドに投資できるところもありますし、スタートアップがお好きな方にもおすすめです。他にもまだ選択肢はあると思います。
イタリアに関するもう1つの課題は、ゴールデンビザを提供している国の中で、おそらくギリシャと並んで、将来、より積極的な税制措置を展開する可能性が高いです。イタリア国民になった場合には、将来、富裕税や域外課税の可能性があるかもしれません。