最近の話になりますが、世界の超富裕層と呼ばれる人たちは面白いお金の使い方を考えている人が多いです。自身の事業を売却し、得たお金は銀行や証券会社の口座に一旦預金しますが、それだけに留まらず、彼らは、資産保全や高いリターンを得るために海外の銀行口座に預けようとします。
しかも、現金を預けることで、その国の滞在許可証や第二市民権を手に入れようと企んでいます。そこで今回は、海外の現地の銀行にたったお金を移すだけで、居住者や市民権まで得られる国を紹介します。 今、あなたが住んでいる国の銀行から海外の別の銀行にお金を移すだけで、お金を自由に動かせるという流動性を維持しつつ、別の国での入国許可を得ることができます。
では、まずアメリカ大陸から見ていきます。パナマでは、友好国ビザプログラムによって永住権を得ることができます。インターネットを見て回っている人なら、聞いたことがあるかもしれません。
日本人を含めて、世界50ヶ国のいずれかの国籍保有者であれば、5000ドル(約57万円)を銀行に預けることで永住権を得ることができます。実際に住むにしても、税金面ではかなり優遇されている国です。移住しないにしても、銀行にわずかなお金を預けておくだけで永住権が手に入れられる世界の素敵な場所の1つです。
パナマ以外の南米の国、例えばエクアドルでは400万ドル(約460万円)預金することで、滞在許可証を取得できます。さらには、永住権や市民権の獲得を目指すこともできます。エクアドルは、知らない人も多いと思いますが、米ドルを通貨として使用しています。米ドルであれば、アメリカなどに比べて高い金利を得ることができますし、不動産も安く手に入ります。
とても小さな国ですが、とても平和な国です。また人々は誰かを悪く言うことはありませんので、比較的適切な金利で預金する場所として悪くありません。もし、最高の金利を得たいのであれば、信用組合をチェックした方がいいかもしれません。 南米の別の国、コロンビアでは、銀行にお金を預けることで居住者になることができます。コロンビアにはいくつかの異なる居住プログラムがあり、常に要件が変更されていますので、その都度チェックが必要です。
不動産を購入して永住権を取得するのが最も簡単な方法だと思いますが、もしお金をあまりかけたくないのであれば約2万ドル(約227万円)の資金をビジネスに投入することでも居住者になることは可能です。 米国市民の場合には、銀行口座以外にも多くの書類が必要になりますし、最終的には、なぜビジネスにお金を使わないのかと聞かれるケースもあります。一方で、会社にお金を提供してコロンビアで居住者になる道もあります。
もし、現地に住むつもりがないのであれば、不動産にわざわざ投資して、市民権を手に入れるのは良い方法ではありません。対して中南米のコスタリカでは、年金などの受動的な収入を証明することで、申告書の代わりに収入を証明することが可能です。必要な収入の2年分を銀行に預けるだけで約6万ドル(約680万円)でコスタリカの滞在許可証を取得することができ、現地に住むことが可能です。また、1年の半分をコスタリカで過ごすこといで、平和で美しい国の市民権を獲得することに近づけます。
ヨーロッパでは、多くの国がゴールデン・ビザ・プログラム開設しているため、投資家は不動産を購入することで居住許可を得ることができます。これらのゴールデンビザの中には、市民権を得るためにその国に長く滞在する必要がないものもあれば、銀行預金や劣後債への投資が要件となる場合もあります。例えばラトビアでは28万ユーロ(約3600万円)を銀行へ投資することで市民権を得るチャンスを手に入れられます。
銀行預金ではなく、銀行の債務への投資であるため、敬遠する人もいるかもしれないが、政府に2万5千ユーロ(約320万円)の手数料を払って投資すれば、5年間の滞在許可証を手に入れることができます。残念ながら実際に現地ラドビアに住まない限り、市民権を得ることはできません。
市民権を得るには10年かかるため、EU市民になりたい人にとっては最良の方法ではありませんが、ゴールデンビザのように比較的安価でシンプルに市民権を得ることができるため、極端に悪い話ではないでしょう。なので、不動産や投資ファンドに手を出してみるのもいいかもしれません。 地元ラトビアの銀行だけでなく、ヨーロッパの大規模な銀行への投資でも市民権が得られます。ポルトガルとスペインにはゴールデンビザ制度があります。
ポルトガルとスペインにはゴールデンビザ制度があり、一般的には不動産を購入することが市民権取得の要件になると考えられていますが、それぞれに資本投資としてお金を預けることによって取得できるオプションがあります。大体100万ユーロ(1.3億円)の資本投資が要件となります。元の銀行から市民権を取りたい場所の銀行に移すだけで、ゴールデンビザを取得でき、ポルトガルの場合は市民権取得に向けた第1歩となります。
またヨーロッパの端っこのすぐに市民権を得られる国として、トルコがあります。ここ数年は、25万ドル(約2800万円)の不動産投資オプションが話題になっています。カリブ海の市民権プログラムとは異なり、物件を選んで投資することで市民権が得られます。
法律が定められているため、絶対的に安い物件を手に入れることはできませんが、イスタンブールではかなりお得な買い物ができる可能性が高いです。しかし、あまり知られていないのは、不動産を買わないのであれば50万ドル(約5600万円)を銀行に預けて、それを複数の銀行に分けることがで市民権を得られます。お金を3年間預けることで、市民権を得ることができます。
また、エジプトには投資による市民権プログラムがあり、欧米人にはあまり馴染みがないかもしれませんが、非常に有利な価格設定になっています。エジプトの銀行に750ドル(約8万5000円)から100万ドル(約1.1億円)を預け、約3年から5年の間中央銀行を通してお金を預けることができれば、エジプト人になることができます。多くの西洋人が興味を持つことではありませんが、お金を預けて出て行くだけのパスポートです。
アジアでは第2市民権を取得するのは非常に難しいと言われていますが、いくつかのプログラムがあります。フィリピンにはSRRVプログラムがあり、数千ドルから資格に応じて5万ドル(約560万円)までをフィリピンの銀行に預けることができます。金利は世界のどこかで見かけるよりも少しだけ良いです。フィリピンにはきちんとした銀行があるので、35歳以上の方は検討してみてはいかがでしょうか。
タイには1年ごとに更新可能な無期限の投資家ビザがあります。理論的には1,000万バーツ(30万ドル強、約3400万円)を銀行に預けておけば永久に有効です。また、不動産との組み合わせも可能で、例えばデベロッパーからコンドミニアムを購入した場合、銀行に半分、実際に住みたい場合は家に半分、というように分けることができます。また、実際には住まなくても、毎年1日だけ更新に行けばいいのです。
マレーシアでは、第二の故郷プログラムが実施されていましたが、現在は中断されていて、2020年後半に再開される予定です。このプログラムでは、30万マレーシアリンギット(約810万円)を銀行口座に預け、そこで実際に利息と長期滞在のビザを得られます。最近の金利はそれほど高くありませんが、米ドルよりは少し良いですし、潜在的にリンギットは少し過小評価されていることもあります。
このプログラムが始まったら何が出てくるかはわかりませんが、マレーシアには素晴らしい銀行があります。シンガポールの銀行もあります。さまざまな国の銀行があり、非常に安定した環境だと思います。 もしあなたが今大量の流動性のある資金を大量に持っていて、それを1つの銀行に預けるだけでなく、複数の銀行に移動させたいと思っているなら、その途中で長期滞在のビザを取得するチャンスがあります。一石二鳥ということで、検討してみる価値はあると思います。