オフショア銀行口座を開設するために知っておくべき具体的な内容を説明します。オフショア銀行とは、居住国外に開設する銀行口座のことです。私たち日本人であれば、日本以外の国に銀行口座を開設することをいいます。オフショア銀行の存在を知っていたとしても、開設する方法を知らない人がほとんどですので今回わかりやすく開設していきます。
オフショア銀行開設までのステップ
開設する際には、実際に現地銀行に行き、口座を開設してみましょう。多くの国では、ただ歩いて行くだけで開設可能です。例えばトルコの隣国、ジョージアでは予約も紹介も必要ありません。パスポートと住所を持って行くと、口座を開設することができました。また、事業用口座など口座の種類によっては、予約が必要な銀行もあります。
またケイマン諸島のように租税回避地として名が知られている国で口座開設する際には、原則としてジョージアのようにふらっと立ち寄って開設するのは難しいです。もし、口座開設する際には、いきなり窓口に行くのではなく、事前に電話などで問い合わせるのがベストです。その際には、予約の有無だけでなく、ビザや市民権、労働許可証のない外国人を受け入れているか、さらには保証金が必要かどうかを確認すると良いでしょう。
世界各国の銀行では、厳格な顧客情報ルールにより、観光客に口座を開設する行為を厳しく取り締まっています。国によっては、その国に住んでいない人の口座開設を全く受け付けない国もあります。リスクと思われる人を引き受けたくないのです。そのため、シンガポールなどの国では、従来は最低でも最初に1000ドル(約12万円)を口座に入れていれば問題ありませんでしたが、20万ドル(約2500万円)を入れてほしいと言われるようになりました。
証明書など何が必要なのか、どんな書類が必要なのか、外国人でも受け入れてくれるか、保証金はいくらか、予約は必要なのかなどは、事前に電話で確認しておきましょう。中には、外国人全般の開設を断る銀行もありますが、前もって銀行にコンタクトを取っておけば、問題は少なくなるでしょう。
オフショア銀行への入り方
意外に思うかもしれませんが、銀行に入るときの準備や服装は、口座開設の成功率を左右します。開設する銀行の目星がついたら、開設のやり取りに向けて作戦を練っていきましょう。銀行は、あなたがどこで税金を支払っているのか、各国で納税しているのか、何のために口座を作るのか、その口座で何をするつもりなのか、最初の預金額はいくらか、などを知りたがります。
いきなり銀行に行って、例えば「税金がかからないと聞いたので口座を作りたい」と言っても、口座は作ってもらえません。過去には、シンガポールの銀行でそのような言い方をして、口座開設を却下されたケースがありました。
また、ぼろぼろのTシャツで現れたら、多くの銀行は相手にしてくれないでしょう、口座開設の理由を正確に把握し、詳細な状況をすべて事前に準備しておくとよいでしょう。準備ができたら実際に店舗に行くことになりますが、銀行の本店に行くことを強くオススメします。なぜなら、本店で働く人々は一般的に経験があり、銀行の方針についてより良く知っているからです。
オフショア口座を開設するための流れを見ていきましたが、何となくかもしれませんがイメージがつかめてきたでしょう。日本で銀行口座開設する際とは違い、色々準備が必要なのが海外での口座開設です。
リモートでのオフショア口座開設
こういうご時世もあってか、リモートでのオフショア口座の開設も可能な銀行も出てきています。しかし、直接銀行に行って開設するよりも時間がかかるケースがほとんどです。ベリーズ、ケイマン諸島、クック諸島、バヌアツなどといった租税回避地の銀行でリモートで口座を開設する場合、書類に記入し、パスポートの公証コピーを用意し、その書類をすべて銀行に送付する必要があります。
手続きは、すべて銀行が行ってくれますが、多くの場合、口座開設に時間を要します。しかし、手間を省きたいのであれば、選択肢の1つであることは確かです。
まとめ
オフショア口座は一般に、政府の資金移動に関する規制により、開設や利用がますます困難になっています。各国政府は、銀行に対して、これまで以上に顧客情報を把握することを求めています。その結果、多くの銀行が海外居住者のクライアントを持つことを渋るようになっています。
リモートで口座を開設するにしても、本人が直接訪問して開設するにしても、越えなければならないハードルはしばしばありますが、入念な準備を行うことで海外へ口座を開設することができます。