海外移住を考えている人の中には、「世界で一番安くて安全な国はどこか?」という疑問を持っている方がいるでしょう。今回は2つのポイントを説明していきます。
- どこに住むと手頃な価格で、かつオトクに暮らせるのか?
- どこに住めば安全なのか?(治安が良いのか?)
多くの人は、この2つは両立しないと思っています。今回、なぜこの2つを上手に両立させることができるのかを説明し、さらには安くて、安全に暮らせる場所を紹介します。
これは、長年にわたってよく疑問に思っている人の多い質問で、人々はより安く住める場所を知りたがっています。自分のお金でできる限り価値のあるものを手に入れたいという人は多いでしょう。中には、オーストラリアの人では、タバコ1箱に30ドルも払い、お酒には莫大な関税がかかるなど、非常にお金のかかる場所で生活をしている人も多いのは事実です。
土地の安さや物価の前に、特に欧米では偏見が多いので、安全であることを確認することが必要となってきます。テレビをつけていると、世界のどこもかしこも安全ではないというふうに見てとれるかもしれません。家にいなければならないと感じることもあるでしょう。
数年前、アメリカ政府が「渡航注意」を発表したときのことを思い出してください。世界のどの国も、今は安全とは限りません。もし住んでいる国が、国民のお金の半分を奪ってトンデモナイことに使うような政府でしたら、政府の立場からすれば誰にも出て行ってほしくないと思います。
一方の国民は、出ていきたいと思うでしょう。もちろん移住できるところはあります。より良い価値を得ることができ、安全である場所もあります。ここで言いたいのは、安全はどこにでもあり、安さは主観的なものだということです。
アメリカ・シカゴに住むとある人の話を紹介しますが、ちなみにあなたはシカゴで事件が起きているのを見たことがありますか?実は、週末には何十人もの人が殺されています。本当に悲しいことですが、彼はすぐに「人が殺されているようなシカゴの地域には住みたくない」と言います。別の人は「僕は郊外に住んでいるから、心配しなくてもいいよ」と楽観視します。
さて、ここからが現実です。メキシコには首都メキシコシティもあれば、郊外もあります。メキシコのテレビでは、郊外の都市・グアダラハラで誰かが頭を切り落とされたというニュースが流れていることもあります。
テレビを見るとグアダラハラで頭を切り落とされた人が出ていますが、グアダラハラには安全な場所に住んでいる人がたくさんいますから、そこに行くのが良いでしょう。安さに関して言えば、1日の生活費◯円でどうやって生活するかではなく、どうやってお金の価値を高めるかということがポイントです。
お金の価値を高めつつ、西洋的な生活の質を求めるのであれば、東ヨーロッパの一部の場所で、おそらく非常に安く生活することができるでしょう。ベオグラード、タブリス、エレバン、ベラルーシのミンスクなど。これらの場所は本当に安いです。独自の通貨を使用しているため、価格が低く抑えられていることもあります。
モンテネグロは、別荘を持っている人も多い国です。ユーロを使っているせいか、観光客が多く、それほど安くはありません。ただ、あまり観光地化されておらず、独自の通貨を持ち、ある程度人里離れた場所にあるところでは、中でもお酒が非常に高いです。そう考えると、モンテネグロの中心部には、お得感があります。
また、ベオグラードのノビサドなど、その近郊の都市も良いでしょう。ブダペストは、EU圏内でも比較的手頃な価格で購入できる場所だと思いますので、最適な場所でしょう。確かに、同じ原則を中南米にも適用できるかもしれません。カリブ海の島に行けば、物価はそれほど安くありません。小さな国では、西洋の快適さを求めると、コストがかかることがあります。例えば、ホンジュラスに行くとしたら、思ったよりも安くないかもしれません。
一方で、コロンビア、エクアドルは、間違いなくお得な旅ができると思います。コロンビアもまた、通貨の安定性に問題がありますが、生活するには非常に価値のある場所です。タイやカンボジアのようにドル高経済の国では、期待したほど安くはありません。そこで、東南アジアの国でも、最も安い場所のひとつであるマレーシアに注目しています。
繰り返しになりますが、ある種の西洋化されたライフスタイルと共に、ある種の消費者の利便性を求めるのであれば、ラオスの田舎に住むのは確かに安くつくでしょう。しかし、アメリカのウェストバージニア州の田舎に住むことでも同じように実現できます。
ということで、安さという視点で見てみたいと思います。もしかしたら「紹介されている場所安全ですか?」と言いたくなるかもしれません。ラテンアメリカ、東南・東ヨーロッパまたはコーカサス諸国、そして東南アジアなど一通り見た上で、安全な国を紹介します。新しい研究や報告書で「世界で最も安全な国ベスト10」という見出しを目にすることもあるかもしれません。最近、CNNで紹介されたものでは、驚くべきことにその10カ国は、基本的に全てヨーロッパや西欧の国々でした。
アイスランドやスウェーデンなど様々な国でしたが、本当に驚いたのは、これらのレポートの中に「これらは認識に基づいた最も安全な国である」と認識に基づいたレポートでした。これらの報告書は全てワシントンやロンドンやウィーンに拠点のある人たちがまとめたものですので、地域が偏ってしまうのもやむを得ないでしょう。
一見してアイスランドは安全そうに見えるかもしれません。 実際に、129カ国が実際の犯罪データに基づいてランク付けされている統計を見ていきます。すると、2020年版の統計で世界で最も安全な国は、カタールでした。カタールの物価は、安くはありませんが、税金はとても安いです。一方で、カタールよりも1~2ランク下ですが台湾も安全な部類に入ってきます。台湾は、他の場所ほど安くはありませんが、比較的手ごろな価格で良い買い物が可能です。
アジア圏は見落とされがちです。犯罪データに基づいたランク付けで良い評価されているトップ10に、ロシアの隣国であるジョージアはランクインしています。一方で、お隣のアルメニアはトップ10には入っていませんが、スロベニア、ベラルーシ、ポーランド、スロバキアなどと共にトップ25に入っています。
果たしてジョージアは、このリストの中で最も安全な部類に入るのでしょうか?ジョージアに長く住んでいる人の話によると、世界のあちこちからジョージアに引っ越してきた人たちが沢山います。ジョージアの人たちは、皆タクシーに自分の高級カメラを忘れても、ドライバーから返してもらったという話を持っています。夜も昼も安心して歩ける。そういう場所です。元大統領のサアカシビリ氏のおかげで、非常に安全な文化が形成されています。
さてこれらの国に共通していることは何でしょうか?これらの国は、一般的に最も安全であると思われる国よりも上位に位置しています。恐らくニュージーランドやオーストラリア、イギリス、そしてリストのずっと下の方にはアメリカがあります。ここで取り上げた全ての国は、それらを上回っています。
現在、セルビアやモンテネグロはトップ25に入っていません。しかしモルドバなどの例外を除き、ほとんどの東欧諸国が、西欧の大国に勝っています。一方のアメリカは「最も危険な国」の50位にランクインしています。
もう一度最初に言ったことに戻りますが、安全はどこにでも見つけることができます。アメリカで安全に暮らせる場所がないとは言いません。アメリカでも車が壊されたりなど何か問題が起きることがあります。しかし、どの国に行っても犯罪に対しては同じようなルールが適用されます。また、西欧諸国の多くの人々が行きたいと思う場所も課題があります。例えば、バルセロナは今やヨーロッパの犯罪の中心地として広く認められています。
ヨーロッパにも、高価な時計を盗むような人は何人もいます。だから、自分が安全だと思っている場所が一番安全とは限りません。安いとは言えない場所でも、安全な場所はあります。サウジアラビアやアラブ首長国連邦など湾岸地域の多くの国では、あまり大きな犯罪は起こらないでしょう。ベラルーシも最も安全な場所のリストに入っていました。
また、安全に関しては、議論の余地があります。各政府・自治体は非常に厳しい法と秩序を課していますが、アメリカ・ジョージア州のようないくつかの場所では、安いものは見つからなくても、警察がかなりフレンドリーに対応してくれる場合があります。
物価と安全の両方を求めるなら、東欧は安全な場所であるでしょう。前述では、セルビア、ベラルーシ、グルジアなど取り上げました。アルメニアもかなり安全だと思います。これらは行くべき場所です。アジアの中でも、台湾はとても安全です。
東南アジアでは、ひったくりなどがあるかもしれませんが、気をつけないといけません。 確かに、ラテンアメリカの一部では少し危険があるかもしれません。繰り返しになりますが「適切な地域で購入すれば問題ない」のです。重要なことは、多くの価値を得られるライフスタイルを送ることができるということです。
25セントのビールをどこで買うかという話をしているのではありません。25セントのビールをどこで飲むかという話ではなく、どこに行けばお金からもっと価値を得られる素晴らしい人生を送れるかという視点が大切です。地域によっては、ニューヨークやロンドン、シドニーに比べて3分の1の値段で高級レストランを楽しむことができ、さらに安全で質の高い生活を送ることができます。
欧米のニュースメディアで報道されている統計は、欧米に偏っています。ここまで取り上げた国は無視されています。あなたが最高の待遇を受けられる場所に行き、物価が安くて安全な国を選択するべきです。