« 楽しくなければ 勉強じゃない!その④ | メイン | 楽しくなければ 勉強じゃない!その⑥ »

September 14, 2007

楽しくなければ 勉強じゃない!その⑤

 ある年の夏のこと、塾のロビーに日焼けで真っ黒になったランニングに半ズボンの少年が立っていました。しかも毬栗頭で大変失礼ではありましたがどう見ても塾には場違い?と言った印象を当時強く受けたことを覚えています。聞けば行きたい中学があるから塾に入れて欲しいというのです。しかも、背後に親の姿もなく、いったいどうなってるんだろう?というのが本心でした。聞けばご両親が共働きで来れず、自分一人で塾に行き事情を話して入室テストを申し込んで来るようにということでした。少年のその表情には何かみなぎるものがあり、別途日時を設定し再び彼の登場を待つのでした。

 数日後、また同じようないでたちで少年がやってきました。算数と国語の二教科、早速採点をしてみることに。すると、算数はなんとも○がありませんでした。これは説明をしてあきらめてもらうしかないと思い少年に話すと、「これから一生懸命頑張るからどうしても通わせて欲しい」と今まで見たことがないほど嘆願するのでした。これにはむげに断ることもできないとスタッフ一同で話し合い、とりあえずご両親と話をすることになりました。「先生、申し訳ない!あの子が急に言うもんだから私ら何にも分からずに本人が誰かに聞いたんだか調べたんだか、自分で行ってくるからと言ったんです。そんでもってそれは本人が決めたことで、固く決心してますんで、何とか面倒見てもらえませんですか?すんません!」というような会話を交わしたことを覚えています。

 改めて少年を呼びました。早速勉強道具を持ってきました。外見は相変わらずの印象でした。早くも周りの子ども達が珍しそうに見つめます。「言われたことは何でもやります!絶対にやります!この塾に入れてください!」ロビーも私たちも静まり返りました。これは本気だと誰もが悟った瞬間でした。

 画像2007.03.28 001.jpg
☆ 中学受験 合格への最短コース  第6章 【合格につながる親の心がまえ】

 それから彼の血のにじむような特訓が始まりました。授業は常に最後尾で受けます。とにかく復習に軸足を置くようにとノートを一生懸命にとりました。板書していないせりふも書き写しました。しかし、そう簡単には成果は出ません。6年生の彼には厳しい模擬試験も始まります。9月・10月は受験せずにとにかく復習と別課題を黙々とこなしました。きっと誰もが想像できないほど辛い日々だったと思います。塾の復習も進めながら、別のテキストで5年範囲から復習です。二系統の学習でしたが、絶え間ない努力の成果を感じ始めたのは冬です。12月近くだったと思います。算数のテストで基本分野をパーフェクトに身につけてきたのです。そして計算ミスもしない完全なものでした。よく見ると先生の解説・解き方と同じ軌跡が残っていました。

 そして冬期講習近くからいよいよ応用問題と過去問に入ります。しかも、彼の目指していた学校は男子御三家の一つ。さらに高度な内容を習得しなくてはなりません。次の問題集はこれとこれ、プリントはこれ、過去問は次のペースで進めること。ついに授業の復習を含めると三系統になります。きっと東大に合格する以上のノルマだったかも知れません。もしかすると90度近い上昇カーブだったかも知れません。

 結果はもうご想像がつきますね。そうです!見事に約半年間の死に物狂いの努力の結果、【合格】を勝ち取ることができたのです。後にも先にもこの少年を越える子はお目にかかっていません。が、これは事実です。その後、何度も小学生の学校見学ではお世話になりました。それはもう親切に案内してくれました。必ず次の日にお母さんからお礼の連絡をいただきました。行った子ども達も喜んで頑張る!と言ってくれました。

 こんな体験からまたもや子どもの偉大さを知りました。そして人間に不可能などないということも少年から学ばせてもらいました。生涯忘れることのできない貴重な体験です。

 【 中学受験 楽しくなければ 勉強じゃない! 】

投稿者 yoshinori_y : September 14, 2007 12:00 AM

コメント

コメントしてください




保存しますか?